「い・ろ・は・す」の開発に携わったプロジェクトチーム。左から順に、松岡建之さん、福江晋二さん、小林麻美さん【拡大】
南アルプス、富士山…。「採水地をアピールした商品は各社が販売していた。後発が同じことをやっても勝ち目がないのは分かっていた」。日本コカ・コーラのマーケティング本部バイスプレジデントの福江晋二さんは、ミネラルウオーター開発に着手した当時を振り返る。
発売1年前の平成20年5月、研究開発、製造、営業部門などから約30人を集め、チームを立ち上げた。ヒットにつながる商品開発の糸口を探ろうと、市場分析を行ったたところ、ある興味深い調査結果が出た。それは、「ミネラルウオーターをよく飲む人に、環境活動への興味を持っている人が多い」ということだった。
「これは使える」(福江さん)。「環境」をキーワードにした同社のミネラルウオーター開発が動き出した。
俎上に上ったのが、研究開発部門が研究を続けてきた軽量ボトル。「この技術を活用すれば、ライバル商品よりも資源を節約できる」。さらに、「簡単に潰せる軽量ボトル」にすることで利便性が増し、ゴミの量も減らせる。