「い・ろ・は・す」の開発に携わったプロジェクトチーム。左から順に、松岡建之さん、福江晋二さん、小林麻美さん【拡大】
軽量ボトルは、高い強度との両立が最大の課題だった。
出荷後の物流過程や購入後の持ち運びに耐えられる強度に目は行きがちだが、同社によると、ボトルは製造工程で高速で運ばれるので、高い耐久性が求められるという。このため、当初は、「工場側に『簡単に潰せる超軽量のボトルは生産できるわけない』と反発された」(技術・サプライチェーン本部の松岡建之マネジャー)という。
そこで考え出されたのが、五角形や六角形のくぼみを組み合わせる「多角形リブ構造」だった。
長年のボトル軽量化の取り組みで培われた技術で、横から強い力を加えても中の水が飛び出さず、縦方向の力にも耐えられるのが特長だ。工場の生産ラインで耐久実験を繰り返し、従来は20・5グラムあった555ミリリットルのボトルの重さを12グラムまで軽くすることに成功。軽量化によって、薄さも実現し、「紙くずのようにつぶせるボトルが完成した」(松岡さん)。