もちろんウェイズは、アメリカのように車の運転が日常生活に深く結びついた文化圏においてより有益なサービスだ。発祥の地、イスラエルも車社会のようだ。特に街がコンパクトで、ほとんどの友達がウェイズを利用していれば、市内の道路で何が起こっているかを反映したかなり詳しい地図ができあがる。
このマッピングアプリはユーザーの情報によって成り立っていることから、ウェイズにはユーザーが飽きずに利用し続けられるようゲーム的要素が取り入れられている。まだ地図が作成されていない地域を走れば、ユーザーはポイントを獲得することができる。地図の上では道路に置かれた仮想アイテムをちょうどパックマンのように食べ進む様子が表示される。ウェイズのコミュニティーでは、交通情報のほかにもユーザーがガソリンの価格を報告し合うことにより、運転中にその界隈(かいわい)で最低価格のガソリンスタンドをすぐに見つけられるといった機能も充実している。
◆サービスの足がかり
ウェイズが大手インターネット企業にとって価値の高い商品である理由は、モバイル上の地図機能がすべてのモバイルサービスの足がかりと考えられるからだ。例えばフェイスブックがウェイズを買収すれば、それによってフェイスブックはアップル、グーグル、マイクロソフトなどすでに独自の地図サービスを提供する企業と同じ位置に立てる。彼らはみな独自OS(オペレーティングシステム)を持っている。フェイスブックは本当に独自のOSを打ち出すのだろうか。それは定かでないが、もしそれが本当なら、ウェイズのようなサービスが必要になるだろう。