もし、それでもフェイスブックがウェイズを買収するとすれば、携帯キャリアにサービスをパッケージとして提供することが考えられるだろうか。フェイスブックアプリとウェイズの地図機能をまとめて追加すれば、地図機能を無料で利用できるといった内容のものだ。しかし、私はそれよりはグーグルがウェイズを買収するというシナリオの方がずっと意味が通ると考えている。グーグルはデータを扱う企業であり、すでに膨大な地図データを収益に換えてきた経験を持つ。それに、グーグルにとって10億ドルは大した金額ではない。
ウェイズとフェイスブックの交渉が難航しているのは、主要チームをイスラエルからカリフォルニアに移すというフェイスブックの要求に、ウェイズが難色を示しているからだとうわさされている。アップルも昨年、ウェイズと買収交渉に入ったが決裂した。マイクロソフトはウェイズに投資しているが、買収交渉にはかかわっていないようだ。ウェイズは便利でクールなアプリだが、交渉力はそれほど持ち合わせていないように思われる。グーグルとフェイスブックとの間で入札戦争が勃発(ぼっぱつ)し、そのどちらかに条件をのませる事に望みをかけているといったところだろうか。ウェイズが自らの力だけで真に10億ドルの評価額を付けるまでには、かなり長い時間がかかることが予想されるからだ。