中国の対日投資残高【拡大】
日本への関心再び
中国資本が日本の中小企業に注目するのは「その『匠(たくみ)』の技術にある」と、元日銀北京事務所長の露口洋介・信金中央金庫上席審議役は分析する。高度な技術を学び、巨大な中国の消費市場で生かすという「実を取る」狙いがある。本間ゴルフの場合、中国市場の開拓は「まだ発展途上」(幹部)だが、ゴルフ人口増加が見込まれている。
こうした動きは、政府系ファンドの中国投資有限責任公司(CIC)が、日本の上場企業の株を多く保有する例とは一線を画している。CICの株式保有比率はいずれも数%程度。「あくまで優良企業に対する『純投資』。マジョリティー(経営権)を得ようとすれば日本で嫌われると、彼らは十分に承知している」と露口氏はみる。