中国の対日投資残高【拡大】
中国政府の統計では、10年の国・地域別の対外直接投資残高は約3172億ドル(約30兆7150億円)。投資国別ではオーストラリア78億ドル、シンガポール60億ドル、米国48億ドルなどが上位を占め、日本は約11億ドルにすぎない。
本間ゴルフのケースについて、ゴルフファンで、著書で同社を取り上げた作家の江上剛氏は「埋もれかけていた日本の中小企業の『匠』の技を、中国企業が見つけ、支える構図が興味深い」と分析する。
国内投資会社の幹部は「東日本大震災の後は、原発事故への懸念もあり、中国本土からの日本に対する関心は薄れていたが、アベノミクスで再び目が向きつつある」とみる。日本勢が支えきれない中小企業を中国企業が支援するケースは今後も増えそうだ。「日本はもっとしっかりしなければ」。この投資会社幹部は自戒を込めて話していた。(藤沢志穂子)