多様化するニーズに合わせ、食品加工機械が進化を続けている。高齢化などを背景に、食材を1回の食事で使い切れるようにセットする「お一人さま」向け対応の機械が増え、「3Dプリント」を施すマシンも登場。食生活の広がりや海外需要の拡大を踏まえ、各メーカーは開発に知恵を絞っている。
食品包装機械などを手掛ける寺岡精工(東京都大田区)の「ノントレイ包装機」は、発泡トレイやラップを使わずに食肉や魚の切り身などを真空パックできるのが特長で、鮮度保持や作業コスト削減に効果があるという。ターゲットは餃子やハンバーグの具、味付け肉といった調理に手間を取らない食材を扱うスーパー。さらに1人分に個別包装した商品を展開するコンビニエンスストアやファミリーレストランにも攻勢を掛ける。
根菜の加工機を手がけるイナモク(愛知県西尾市)は、皮むきから分割までを1分でこなすリンゴ加工機を開発。計量機器のイシダ(京都市)は袋菓子や野菜を高速で個別包装する機械を投入し、用途や人数に応じた多様な商品の展開を狙う食品メーカーのニーズを取り込む。