進化するサイバーナビのＡＲ技術　駐車場入り口の混み具合も分かる (1/4ページ)

　風景に似せた地図をつくるのではなく、「ＡＲ（拡張現実）技術」で現実の風景そのものを使って道案内するパイオニアのカーナビゲーションシステム「カロッツェリア　サイバーナビ」が、さらに進化した。クルマ同士を通信でつなぎ、位置情報などを共有する仕組みをいち早く取り入れ、今までより詳細な渋滞情報を運転者に提供できるようにした。

　「車載カメラの映像をナビに生かすという発想は、当時としては画期的だった」。カーエレクトロニクス事業統括部カー市販事業部マルチメディア事業企画部企画１課の佐藤智彦氏は、サイバーナビを最初に市場投入した３年前をこう振り返る。

　従来のカーナビは、位置情報を地図データに反映させるだけで、運転者がカーナビの画面情報を頭の中で現実の風景に置き換える作業が必要になる。「地図を読むのが苦手な人は、この工程がスムーズにできない傾向があった」（佐藤氏）。平成２３年５月に発売した第１弾のサーバーナビは、ＡＲ技術の搭載でこの課題の解決を狙った。

実際の風景の映像にさまざまな道路情報を瞬時に重ね合わせる