AR方式のカーナビは、バックミラーの裏側に小型カメラを搭載。実際の風景の映像にさまざまな道路情報を瞬時に重ね合わせる。リアルタイムに動く映像と、道案内するナビ情報をピタリと重ね合わせて運転者に知らせるのは、並大抵の技術力ではうまくいかない。「約20年にわたるカーナビに関するパイオニアの技術の蓄積がなければ、こんなに早く実現しなかったかもしれない」と佐藤氏はいう。
もっと運転をらくにしたいとの開発チームの思いは、次に24年7月発売の第2弾製品での「HUD(ヘッドアップディスプレー)ユニット方式」の導入につながった。
HUDシステムは、運転に役立つ情報を、カーナビの画面ではなく、クルマのフロントガラスの前方に映し出し、目の前の本当の風景に重ねて表示する。これによってドライバーがナビに視線を移したり、遠近の焦点を合わせたりする負荷を軽減する。
映し出す情報は、走行状況に合わせた複数の選択肢がある。ドライバーモードは、目的地までのルート表示や車間距離表示、交差点情報などを分かりやすく表示。