関西電力美浜発電所(美浜原発)1号機、2号機(奥から)【拡大】
廃炉となれば、電力会社は廃炉に伴う損失を一括計上しなければならない。想定よりも早く廃炉にすると、積立金不足や原発の資産価値がなくなることによる巨額の損失が経営に大きな打撃を与える。
経済産業省の試算によると、国内にある原発50基を現時点ですべて廃炉にした場合、沖縄電力以外の原発を保有する電力9社と日本原電で計約4兆5千億円の特別損失が発生し、北海道、東北、東京、北陸、九州、日本原電の6社は債務超過に陥る。
「いきなり全額を損失計上しなければならないのでは廃炉は不可能」(電力大手)という電力業界の要望もあり、政府は損失を複数年度にわたって計上できるようにすることなどを念頭に制度見直しに乗り出す。
廃炉リスク高まる
電力会社にとって、廃炉という選択肢は遠い話ではない。
日本原電敦賀2号機では5月、規制委が直下に活断層があると認定し、廃炉に追い込まれる公算が大きくなっている。規制委は敦賀以外の5原発でも敷地内の断層調査を実施中で、東北電力の東通原発(青森県)について、「活断層の可能性が高い」との報告書案を示している。