ところが川重の場合、解任前は13人のうち10人が代表権をもっていた。同社は鉄道車両やガスタービン、航空宇宙、二輪車などのカンパニーで構成する複合企業体であることから、各カンパニーの独立色が強いためだ。各取締役は「カンパニープレジデント」として独立採算で運営に当たっている。
東京-兵庫の距離感
川崎重工は神戸が発祥の地。カンパニーごとに製造拠点の立地などから、東京を拠点にする役員と神戸(兵庫県内)を拠点にする役員に分かれる。解任された3氏はいずれも東京勤務が長い一方で、神戸勤務が長い役員は反対派へと分かれた。
大手証券マンは「経営統合という一大事はスピード感と勢いが大事」と指摘。「関係ない取締役に知らせずに交渉を進めることは当然ある」という。一方で、川重の役員OBは「統合という一大事なら根回しが必要だ。(長谷川氏は)根回しは慎重にやったんだと思うが、もっと(他の取締役と)コミュニケーションすべきだった」と説く。