一方で、次期社長レースが引き金になったという、うがった見方もある。川崎重工は代々、収益性や成長性が最も高いカンパニーから社長が誕生してきた。長谷川氏は高収益を上げるガスタービン・機械部門の出身だ。
新たに社長に就いた村山滋氏は、日系メーカーの炭素繊維を使った飛行機胴体などが好調な航空宇宙部門を率いてきた。
「明るくてオープン」と評される村山氏は自他ともに認める社長候補だった。しかし、三井造船との経営統合が実現すれば状況は変わってくる。
川重の造船事業は規模が社内最小のカンパニー。それが統合により、2社を合計した造船事業が一気に最大部門に躍り出ることへの抵抗感が、他のカンパニープレジデントにあったとしても不思議ではない。
26日の株主総会で大橋忠晴会長は退任する。村山社長の真の経営手腕が問われそうだ。(南昇平、織田淳嗣)