ソフトバンクの連結有利子負債残高【拡大】
スプリントへの投資で、ソフトバンクの財務状況の悪化は避けられそうにない。216億ドルにものぼる買収費用の大半を借入金や社債発行で賄うため、ソフトバンクの連結ベースの有利子負債は買収後には6兆円を超える見通しだ。
財務悪化 問われる孫社長の手腕
このため、孫社長の自信とは裏腹に、金融市場はソフトバンクの挑戦に懐疑的な目を向けている。米格付け会社、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は8日、ソフトバンクの長期会社格付けを投機的水準とされる「ダブルBプラス」に2段階引き下げた。スプリントの買収に伴う財務負担の増加などがその理由だ。
しかも、財務面だけでなく、米国での携帯電話事業の先行きについても、S&Pは「厳しい競合状況が今後2~3年で大幅に改善することはない」と冷ややかにみる。
孫社長は株主総会で「新たな大ぼらを吹く。利益でもキャッシュフローでも時価総額でも、あらゆる面で世界一の会社になる」と宣言した。もっとも、米国で思惑通りに携帯電話の契約者数を伸ばせなければ、世界一への第1関門となるスプリントの経営改善すら絵に描いた餅に終わりかねない。
孫社長の手腕とソフトバンクの真価が問われるのは、まさにこれからだ。(松元洋平)