不採用でも“寸志”
同制度のミソは、事務局の選考段階で「不採用」になっても寸志が贈られ、報奨されること。背景には、「実現できなくても、どんどんアイデアを出してほしい」という会社の考えがある。
アートが業界に先駆けて展開してきたサービスはたくさんある。
単身女性向けに、女性スタッフだけでサービスする「レディースパック」、引っ越し先に到着したスタッフが作業前に新しい靴下に履き替える「クリーンソックスサービス」、引っ越しから1年以内であれば、模様替えのために家具を無料で移動してもらえる「家具移動サービス」…。多くは従業員たちのアイデアから生まれたという。
アートの業務提案制度のようなシステムは、多くの会社で存在するが、どれだけ生かされているかは会社によって異なる。アートの場合、従業員の小さな声を拾おうとする会社側の姿勢が強く、それが先進的なサービスに結びついているようだ。
「サービスにエンドマークはない」。アートの寺田千代乃社長の口癖だ。現場での顧客への細やかな気遣いや配慮が、新サービスを生み出す原動力になる。
取材中、担当者からも「今、いいアイデアが浮かびました」との声が飛び出した。(中山玲子)
◇会社データ◇
本社=大阪府大東市泉町2-14-11
設立=昭和52年6月14日
事業内容=引越事業、国内物流事業など
売上高=非公開
従業員数=1930人(平成24年9月現在)