実際に、6月の市議会議員選で初めてグローリー製読み取り機器を採用した兵庫県内の自治体は、導入したうちの1台に、折れ曲がった票を入れた際、機器が何度か停止してしまった。同自治体の選挙管理委員会は「開票作業に大きな影響はなかったものの、想像していた動作と違って戸惑ってしまった」と打ち明ける。グローリー社員は「折れ曲がった票を入れたら機械に支障が生じる場合はある」と話すが、自治体側にその情報がうまく伝わっていなかったようだ。
また、機械の“限界”を指摘する声も多い。最新のグローリーの機器でも、くだけた字や癖のある字は候補者名として認識できない場合もあり「結局は、人の目での判断を委ねられる」(自治体関係者)という。
今回の参院選では、大阪府内のある自治体の開票作業で、分類機が疑問票を読み込めず、作業が大幅に遅れ、当初想定の22日午前3時に開票終了できなかった。
グローリーやムサシは社員を各開票所に派遣して対応した。しかし、それでもトラブルが生じる恐れがあるため「今後も事前の点検を強化するとともに、マシンの改良に取り組んでいく」(グローリー)と意気込んでいる。
将来的に、紙の投票用紙でなく、スマートフォン(高機能携帯電話)などでの電子投票が可能になれば、ネットベンチャーも参入しそうだ。
経済記者として、華やかな選挙戦の裏側で繰り広げられている関連ビジネス市場からも目が離せそうにない。(板東和正)