ビール回復の兆し、強気の戦略展開　景況感、天候…二重課税解消にも期待 (1/4ページ)

　減少が続くビール類市場に回復の兆しが見え始めた。大手５社の４～６月のビール類の出荷数量はプラスとなり、７月以降の猛暑効果への期待も大きい。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の追い風に乗れれば、今年の年間出荷が９年ぶりに増加に転じる可能性も出てきた。

　人口減少を背景にした国内市場の縮小基調が続き、消費増税を前にしたビール消費への影響など、先行きの不透明感はぬぐえないものの、各社は久々に訪れたビール復権の機会を逃すまいと、強気の販売戦略を展開している。

　飲食店向けで新機軸

　「業務用は回復傾向にある」「前年の売上高を超える可能性は十分にある」

　今月初めのビール大手各社の２０１３年６月中間連結決算発表で、各社からは足元の国内ビール市場の好調さを強調する言葉が相次いだ。

　事実、大手５社の４～６月のビール類（ビール、発泡酒、第３のビール）の出荷量は、前年同期比０．５％増と前年を上回る。上期（１～６月）では０．９％減とわずかに前年を下回ったものの、天候不順で減少した１～３月分を挽回できなかったとの側面もある。

「今の流れや景況感を考えると前年を超える可能性がある」