国内ビール類の課税出荷数量【拡大】
今後は例年より早い梅雨明けや猛暑などの好材料も残されており、「今の流れや景況感を考えると前年を超える可能性がある」(アサヒビールの小路明善社長)という。
特に好調なのがビール類全体の約半分を占める飲食店向けの業務用ビールだ。中でも、ジョッキで提供する樽(たる)生ビールは上期で1%増加するなど全体を押し上げる要因となった。各社が業務用ビールの販促に向け相次いで新機軸を打ち出したことが好調の背景にある。
アサヒビールは「スーパードライ」を氷点下の冷たさで提供する「エクストラコールド」の取扱店を昨年末の約2倍の約5500店(7月末現在)に拡大すれば、キリンビールも「一番搾り」に凍らせた泡を載せた「フローズン生」の取扱店を年内に昨年の約2.5倍の2000店に増やす計画だ。
「ザ・プレミアム・モルツ」を扱うサントリー酒類は、注ぎ方やサーバーの洗浄方法などをより厳しく行っている店舗約1000店を「超達人店」として年内に認定予定。「エビス」で巻き返しを狙うサッポロビールは、エビスと黒ビールを均等に注げる新サーバーを年間1000店に設置するとともに、直営店「エビスバー」の拡大にも積極的だ。