国内ビール類の課税出荷数量【拡大】
広告宣伝費1割増
各社は上期のビール類の広告宣伝費を前年同期比で約1割増やし、こうした飲食店向けで提供するビールのCMを流すなど販促活動も例年以上に力を入れる。03年以降は、ビール類カテゴリでは低価格の第3のビールが唯一の成長分野だったが、4~6月ではビールも0.9%増と好調だ。「第3のビールが増えビールが減る構図が続いてきたが、そうではなくなってきた。ビールが安定してきている」(サッポロビールの野瀬裕之ブランド戦略部部長)と見る向きもある。
年間出荷の前年超えに対する期待が高まるビール類市場だが、少子高齢化による需要減少や若者の嗜好(しこう)の多様化という流れに変化はなく、「ビール市場の微減傾向は続く」(キリンビールの林田昌也マーケティング部長)というのが各社共通の見方だ。
「飛躍的な収益性向上」 二重課税解消に期待
「今後は市場の縮小幅を可能な限り抑制し、製造や流通の工夫で国内の利益率をどれだけ高められるかが重要になる」(野村証券のアナリスト、藤原悟史氏)という。