原発停止による燃料の増加分を補うため、東京電力は昨年9月、家庭向け電気料金を8.46%値上げした。九州電力も5月に6.23%値上げしており、9月からは北海道電力、東北電力、四国電力の3社も家庭向け電気料金の値上げに踏み切る予定だ。
料金値上げに加え、コスト削減や合理化に取り組んだことから、東電や関電、九電は経常赤字の幅が縮小。給与カットなどで中国電力と四国電力でも赤字額が減り、数字上では収益悪化は食い止められたかにみえるが、円安進行もあり、経営環境に好転の兆しはみえない。
一方、円安の進行は値上げに踏み切っていない電力会社にも追い打ちをかけ始めている。国の審査を受ける抜本的な料金値上げとは別に「原燃料費調整制度(燃調)」という石油や液化天然ガス(LNG)の輸入価格を料金に自動反映する制度があるが、転嫁幅に上限がある。上限を超えた分は電力会社が負担する仕組みだが、発電能力に占める原発の割合が低く、値上げを表明していない中部電力は7月30日、輸入価格の値上がりが転嫁幅(基準価格の1.5倍)を超えたため、9月の電気料金が上限に達したと発表した。