三菱電機の京都製作所構内を歩くカルガモの親子(同社提供)【拡大】
「まるで動物園?!」
「工場で、野鳥がこんなに確認できる企業は少ないと思いますよ」。三菱電機のある女性社員は誇らしげにこう語る。
京都製作所など各工場では、カルガモだけでなく、セキレイやムクドリなども巣を作る光景がよく見られるという。
かつての企業の工場は煤煙(ばいえん)をまき散らし、環境破壊の元凶のようなイメージを持たれてきたが、三菱電機は、工場の環境保護に力を入れており、取引先などの見学者は「まるで動物園みたい」と驚きの声を上げるほど豊かな自然にあふれているようだ。
同社は、平成26年度までの3カ年グループ環境計画で、生産段階で排出する二酸化炭素(CO2)の量を、売上高原単位で22年度比17%(12万1000トン)削減する目標を掲げている。
環境保護の狙いはCO2削減だけにとどまらない。太陽電池を生産する飯田工場(長野県飯田市)では、正門周辺に70本以上のリンゴの木を育てている。他の植物でもCO2削減にはつながるが、野鳥が好むリンゴを選び、「人間と動植物の共生空間」を目指している。