経営再建に力を注ぐ高橋興三社長(左)と歴代首脳たち。右上は天理工場に拠点を移した片山幹雄氏。下の3人は右から辻晴雄、町田勝彦、奥田隆司の各氏【拡大】
7月19日には、大阪市中央区の大商で開かれた正副会頭会見に出席。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」に対する所感を聞かれ、「エアコン販売が好調で、大型テレビの単価が上がるなど国内の家電販売が安定してきた」と発言した。
関係者によると、発言は事前に準備した原稿を棒読みしたように聞こえたという。数年前までカリスマ経営者と呼ばれた“オーラ”は失われていた。
特別顧問には専用の秘書や送迎車がなく、大商への送り迎えが社内で問題になった。タクシーで行き来してもらうことも検討されたが、マスコミの目にさらされることなどを考慮して結局、空いていた社用車を使用したという。
3代目社長の辻晴雄氏。特別顧問のままだが、本社の役員フロアにあった専用執務室は町田氏の部屋とともに撤去された。本社の別棟に町田氏との相部屋が用意されたが、最近は姿を見せることはない。
関係者は「もともと現経営陣に影響力を行使することを避けてきた人物。今回の経営危機を招いた時期には既に一線を退いており、むしろ現経営陣が助言を請いたいと特別顧問にとどまった」と解説する。