この結果、今夏、スペイン・バルセロナで開かれた「世界水泳選手権」では、出場する競泳日本人代表31人のうち15人が着用した。
契約関係のない外国人選手からも提供を求められるなど好評で、決勝での着用シェアは男子約10%、女子約6%と、同社としては過去最高を記録した。
吉井さんは「やっと本番水着になった実感がある」と顔をほころばせた。売り上げ状況も、7月までに6000枚を達成し、好調という。
毎シーズンが「ヨーイドン」
LR騒動後、トップスイマーたちは契約ブランドではない水着でも、タイム向上につながりそうであれば、ブランドロゴを隠してまで着用するようになった。
競争は厳しくなったが、メーカーの“実力”がフェアに評価されるようになり、“後発組”がシェアを伸ばしやすくなったのも事実だ。
「毎年の競泳シーズン終了は次のシーズンへのヨーイドン。振り出しに戻るわけです」と吉井さん。
「100%満足できる製品は正直、なかなか作れないが、積み重ねたノウハウと選手たちが求めるものとの距離感は、だいぶ縮まってきた」
来シーズンの水着開発は、すでに始まっている。(木村さやか)