「ボスグラン・アロマ」【拡大】
もっとも、商品化に向けた勝負はそこからだった。量産品の缶コーヒーに仕上げるには、独自の発酵技術をコーヒー豆づくりに受け入れてくれる農園を確保するという難題が残っていた。
その任を背負って、平成17年から中南米や東南アジアで協力農園探しに奔走したのが、プロジェクト立ち上げ時に新入社員として、高橋氏の元に配属された研究開発部の南善清氏。案の定、各地の農園は未知の発酵法に抵抗感を示し、南氏は苦戦を強いられた。
辞書を片手に、発酵の効果を説明しながら農園を渡り歩く日々が続いた。運良く理解者と出合えることもあったが、今度は長期間にわたる生産テストの負担から「もう付き合えない」と断られた。発酵させるには完熟したコーヒーの実だけを集める必要があったが、機械による大規模収穫が広がり、未熟な実を含めて収穫してしまう農園がかなりあることも壁になった。