世界の銅地金受給【拡大】
こうした状況は変わりそうになく、今年以降も世界の銅需要は年率3~4%で拡大、生産も4~5%の伸びが見込まれる。13年以降は生産が消費を上回るものの、在庫は低水準のまま推移するとPPCは予測する。世界のエネルギー関連のコンサルタント企業などの予測もほぼ一致する。
銅の消費大国・中国は、生産でも世界の製錬各社の注目を集める。13~15年に108万トンの増産が見込まれているからだ。世界でも群を抜いた増産規模となるが、それでも消費に追いつかないのが実情だ。
銅消費の増加は、鉱山と製錬所の関係にも大きな影響を与える。鉱山から採掘された銅鉱石は、製錬所で精製されないとその価値を発揮しない。「その意味で、鉱山と製錬所はかつて運命共同体だった」(大井氏)。このため、銅の価格上昇分のうちの一定程度は製錬所に還元されていた。
しかし、06年から「プライスパーティシペーション」と呼ばれる還元分がなくなってしまった。中国やインドの需要は今世紀に入ってから増加の一途をたどる。それまで日本の製錬所が鉱山と相対していたが、中国やインドが鉱山側に都合のいい価格で取引量を増やしたことで、還元制度が崩れてしまった。