電力会社から送信された電力使用量抑制の要請が家庭のタブレット型端末に表示され、あらかじめ設定された家電の電力使用レベルを制御する=東京都武蔵野市のNTTネットワーク基盤技術研究所【拡大】
国内の原発がすべて休止するなど電力供給環境の不透明さが増す中、電力会社などからの要請に応じて、利用者が電力使用量を抑制する「デマンドレスポンス(需要応答)」が本格的に動き出した。NTTはいち早く国際標準規格の認証を取得し、早稲田大学、経済産業省などと「自動デマンドレスポンス(ADR)」の大規模な実証実験に参画。実用化されると消費電力を抑えることができ、地球環境保全につながる。
国際標準規格で実証実験参画
デマンドレスポンスは、真夏や寒冷地の冬など電力使用量が急増する時期や、災害などで複数の発電所が同時に運転を停止するなど電力不足が想定される場合に要請される。個々の需要家の電力使用量を時間帯別に計測する必要があるため、スマートメーターの導入が前提になる。電力の抑制に協力した需要家に対しては、電気料金の割引などインセンティブを提供するのが一般的だ。