東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に向けた流れ【拡大】
原子炉建屋の側では、過酷事故時に格納容器の圧力を下げるため、放射性物質の流出を最小限に抑えながら気体を逃すフィルター付きベント(排気)設備の基礎工事が進む。原発の新規制基準で、設置が義務づけられた新設備だ。
格納容器が大きく、圧力が高まるまで時間的に余裕のある加圧水型軽水炉(PWR)では、5年間の猶予期間が認められているのに対し、柏崎刈羽など格納容器が小さめの沸騰水型軽水炉(BWR)では再稼働の必須条件となる。6、7号機では来春までの完成を目指す。
さらに、原子炉建屋の浸水を防ぎ、緊急時には原子炉を冷やすための淡水の貯水池(2万トン)の設置といった対策も行われている。
銀行団が融資継続
原発1基の再稼働は、東電に年間1200億円の収支改善をもたらす。今月末、三井住友銀行や地銀など28金融機関からの約770億円の融資の借り換え期限を迎えるが、28金融機関は借り換えに応じると東電側に伝えた。11~12月には、昨年5月に政府認定された総合特別事業計画を見直した新たな収支計画を策定し、年末にも3000億円の新規融資を受けたい考えだ。