ホスピタリティ&グローイング・ジャパンが行っているサービス業向けの研修風景(同社提供)【拡大】
内部告発の大半は非正規雇用者から行われるといい、従業員の実態把握が重要だという。
不適切な写真をSNSに投稿、店舗の一時休業に追い込まれた「丸源ラーメン門真店」のアルバイトの女性店員について、運営会社は「店の運営や人間関係などに不満があったようだ」と話す。実際、この店について過去の状況までさかのぼって詳しく調査すると、衛生検査の成績が他店より低いなど、さまざまな問題点が浮き上がってきたという。
同社は「本部による店舗まわりを強化し、問題点を早期に発見する」とする。全店舗の従業員に「満足度アンケート」を行い、不満点を拾い上げる試みも検討中だ。「コストも時間もかかるが、再発防止にはやむを得ない」。息の長い取り組みを通じ、従業員全体のレベルアップを図る考えだ。
正社員ではなく、アルバイトが業務の主力を担う飲食、小売りなどのサービス業。人件費などの問題から、業界のこうした人事構成は今後も変わりそうにない。千葉商大の藤江教授は「企業はコスト削減、アルバイトは時給をもらうだけ、とお互いに自分のことしか考えず、社会への責任が抜け落ちている。コストだけを考えた経営は、逆にハイリスクとなることを自覚すべき」とも指摘している。(内山智彦)