善意の連鎖も拡大
これは個人が単独で募金を呼びかけたケースだが、少額でも多くの人々から寄付を集められる資金調達の手法はクラウドファンディングと呼ばれ、ネット決済システムを備えた仲介サービスを通じて広がっている。
日本でも東日本大震災以降、利用者は増加傾向にある。被災施設再建や復興イベント開催といった支援活動への利用が活発化し、震災で公立図書館が全壊した岩手県陸前高田市での「図書室」建設計画には、有志800人以上から800万円を超える資金が集まった。
また、映画や音楽、アートなどの製作費を募って作品が公開されたり、伝統文化保存活動などでも活用され、ベンチャー企業の資金調達法としても注目が集まっている。
平成23年からクラウドファンディングサービス「レディーフォー」を展開する企業、オーマによると、支援者数は昨年から今年にかけて約4倍に増加。「支援者一人一人の平均支援額は1万円弱。善意の連鎖が大きくなっている」と強調する。
一方、冒頭の事例と同様、協力の呼びかけに賛否両論が分かれるケースも出ている。