唯一成功している米国でも「静粛性」「低価格」というジャンルを確立したことで名声を高めたが、レクサスインターナショナルのプレジデントで、トヨタ専務役員の伊勢清貴は「米国は『良いものを良い』として買う市場。だから、われわれも受け入れられた」と分析する。つまり、米国がブランドよりも実用性を重視する独特の文化圏だったから高級車市場で評価されたというわけだ。
トヨタの高級車は「つまらない」
壊れにくい大衆車-。これがトヨタ自動車の得てきた名声である。
大衆車が発祥のトヨタに対し、メルセデス・ベンツの独ダイムラー、BMWは高級車から始まり、それが原点となっている。これこそがドイツ勢とトヨタの高級車ブランド「レクサス」のブランド力の差なのだ。
「ドイツ勢が変わらない高級感を打ち出せば『ぶれない』と評価される。しかし、レクサスは『つまらない』となる」。トヨタの幹部はこう嘆く。