また、本社と全国の6事業所にはタイムカードがない。好待遇が従業員のモチベーション向上につながっている証拠だ。
一方、この制度は業績にも好影響を与えているようだ。
同社はもともと鋼材の切断、加工が中心だったが、10年ほど前、本社近くに「金型加工センター」を設立。自動車メーカー向けに、内燃機関製造用の金型の製作・販売を始めた。製販一体型の事業は軌道に乗り、平成9年当時約70人の従業員は、現在は倍以上に拡大している。売上高も倍近くの規模になった。
リーマンを乗り越えて
南海鋼材を襲った最大の危機は平成20年末のリーマンショックだった。月商6億円が21年1月には3億、翌月は2億と縮小し、5月は2億円を切った。