2012年以降に設立された主なCVC【拡大】
中長期的な視点必要
米国では1960年代からCVCが浸透。半導体大手のインテルが出資するCVCは代表的な成功例だ。これに対し、日本ではネット系以外に電機大手も設立に走った時期があったが、大きな成果を挙げているとは言い難い。VCとCVCがうまく連携できれば、こうした状況に風穴を開ける可能性がある。
もっとも、KDDIの高橋執行役員専務は「それよりシナジーという言葉に落とし穴がある。利に走りすぎれば必ず失敗する」と課題を指摘する。
KDDIは過去の反省をふまえ、投資案件ごとの収益目標の設定をやめた。「手厚く支援してくれるが、経営の自由は奪わない」(ギフティの太田社長)との評判が確立。今は週に10社以上検討する投資案件の大半が持ち込みという。
ドコモが設立したCVCの安元淳シニア・ディレクターも「『求む、好敵手』の姿勢で(投資先を)探している」と、自社との競合をも容認する姿勢を強調する。
投資成功には仕組みだけでなく、中長期的な視点で投資先の育成に取り組む「度量の広さ」も求められている。(井田通人)