【兵庫発 元気印】六甲ビール醸造所 本場の「エール」 飲みやすく提供 (1/4ページ)

2013.12.12 05:00

 「故郷の神戸にも地ビールをつくりたい」。神戸市北区で「六甲ビール醸造所」を営む有限会社、アイエヌインターナショナルの中島郁夫社長が1997年、“脱サラ”して地ビールづくりに挑戦したのはそんな思いからだった。今でも「本場の英国のエールビールを飲みやすく提供したい」という変わらぬ思いで、ビールをつくり続けている。

 ◆設備は米国から

 中島社長は創業前、製薬会社や自動車会社で生産設備などの技術者として働き、海外勤務が多かった。妻の玲子さんが「底なしの大酒飲み」と振り返るほどビール好きで、米国やドイツなどの出張先ではその土地ならではのビールを味わうのが楽しみだった。

 「ローカルな地ビールが海外ではどこにでもある」と感じた中島社長。「いつか個性のあるおいしいビールを神戸に」という思いはふくらむ一方だった。89年には会社を設立し、準備を重ねて定年前に退社した。

 早速、米カリフォルニア州デイビスにあったビールの専門学校で製法などを勉強し、関連する書籍や雑誌などを日本に持ち帰った。米国内のビール醸造設備も視察し、日本と違ってほとんど自動化されていないことを知った。「日本の高額な設備と比べて、かかる時間や手間はあまり変わらない」。そこで、設備は米国の業者に注文。会社員時代の技術を生かし、一部の設備は自分で設計した。その結果、国内で設備を調達した場合より初期投資を約3分の1に抑えることができた。

 ビールづくりの拠点は当初から、六甲山の北側にある現在の場所に決めていた。六甲の清涼な水を引きやすいことや、有馬温泉などの観光地に近く、土産に買ってもらえると考えたからだ。約300平方メートルの敷地に、本社と工場を建てた。

 2005年、中島社長が創業当時を思い出してしたためた手記にはこう書かれている。

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