関空が開港した平成6年は、バブル崩壊による景気悪化が鮮明化。失われた10年、20年といわれる日本経済の長期低迷の入り口に立ったときだったが、ようやく明るさがみえてきた。
関空開港で記念フライトをした超音速旅客機「コンコルド」。2003年に引退したが、日本の最終フライト地は関空だった
牽引(けんいん)役になっているのは海外からの観光客だ。強みはまずその立地。観光業界では、到着した空港から、鉄道やバスで2時間程度で行ける圏内が観光客の主な移動範囲といわれる。
関空を拠点にすれば、京都や奈良といった日本を代表する観光地のほか、古来の霊場として注目を集める高野(こうや)山、海岸景勝地と温泉が人気の南紀白浜もそのエリアに入る。