十倉雅和さん【拡大】
--中国などの新興国では石油化学製品の供給過多により採算性が悪化している
「新興国の成長減速に加え、中国はリーマン・ショック後、国営企業などが中心となり石化製品の生産設備を大幅に増強した。需要よりも供給が伸び、石化製品の価格は下がり続けている。海外の基礎化学品事業の改善は時間がかかると覚悟した方がいい。当社は、サウジアラビアの国営石油会社との合弁会社ペトロ・ラービグで、シェールガスやナフサに比べても安価なエタンを原料に石化製品を作っている。ラービグの操業を安定化させることで、中国のコスト競争力に対抗する」
--新しい事業も育っている
「世界シェア約15%の飼料添加物メチオニンが鶏肉需要拡大を背景に伸びており、生産増強も考えている。除草剤フルミオキサジンは南米を中心に販売が拡大し、大分工場の生産能力を15年までに11年比3倍に高める。売上高は400億~500億円になる見込みで、農薬のブロックバスターに育てるつもりだ」(西村利也)
【プロフィル】十倉雅和
とくら・まさかず 東大経卒。1974年住友化学工業(現住友化学)入社。2003年執行役員。常務、専務を経て11年4月から現職。兵庫県出身。