海外市場、特に中国では日本製の紙おむつの人気が高く、同社は昨年4月から江蘇省南通市の完全子会社で、現地生産を始めた。ユニ・チャームの「マミーポコ」や花王の「メリーズ」なども中国では人気のブランド。中間所得層増加により、月に10億枚の紙おむつが売れる巨大市場で、日本メーカーによるシェア争いが激化している。
それとは裏腹に、日本では子供人口が減少。ここ2年は東日本大震災の影響からの回復で市場がやや拡大したが、出生人口の減少と軌を一にして「国内紙おむつ市場も年率2~3%で縮小」(大蔵氏)が見込まれる。
市場縮小はドラッグストアなどの売り場自体の縮小にもつながりかねず、大王製紙は強い危機感を覚えている。新たな機能を盛り込んだ新製品は従来品よりも15%程度単価が上がる見込みだが、今後もこうした高付加価値品を国内の目玉商品にしていく方針だ。(兼松康)