このとき得た知見をもとに、翌10年には月面を二足歩行するロボットの開発プロジェクトが始まった。SOHLAの●(=木へんに久)本(すぎもと)日出夫理事長によると「国際宇宙ステーションのロボットアームがカナダ製だったこと」がきっかけとなり、「多くの人に愛着を持ってもらうにはヒト型の方がよい」と考えたという。
現在は大学や研究機関の協力を得ながら、プロジェクトチームがデザインや機能の検討を進めている。当面は地上で動くロボットの製作を通じて技術的なノウハウを高めながら、約300度の温度差がある月面の環境に耐えられる機構づくりに取り組む。20年にはロボットを宇宙に送り込むのが目標だ。
エンターテインメント分野のロボットを開発する構想もある。「例えば関西空港の国際線到着口で海外の旅客をロボットが出迎えれば、日本のものづくりをアピールできる」(●(=木へんに久)本氏)。プロジェクトには東大阪以外の企業も数多く参加していることから、組織名を12年に変更。地域の垣根を越え、中小企業の連携が広がり始めている。