環境に優しい燃料電池自動車(FCV)は2015年度にも発売される見通しだが、それと両輪で進められているのが水素ステーションの設置。その整備が本格化する中、燃料となる圧縮水素を充填(じゅうてん)するステーション用の容器や、FCVに搭載されるタンクを製造しているのが神戸製鋼所だ。
「FCVに積む水素タンクには70メガパスカル(700気圧)、水素スタンドには82メガパスカルの圧縮水素が充填される計画だが、70メガパスカルといえば7000メートルの深海にも相当する高圧だ」
神戸製鋼で営業企画部水素・燃料電池推進プロジェクトの担当次長を務める三浦真一氏はこう説明する。
インバーターを搭載
通常、産業用の高圧圧縮機は、運転し続けなければならず、動かしたり止めたりすることは難しい。これに対し、水素ステーションなどの民生用は、FCVに燃料を入れるときに動かし、そうでないときは止めておくといったように、必要なときだけ動かすことが求められる。そのときに大きなパワーが求められる。