トヨタ自動車は23日発表した平成26年のグループ販売台数計画で、世界初の1千万台超えに挑むことを宣言した。だが、販売増を見込む海外市場では、ゼネラルモーターズ(GM)など米自動車大手の復活などもあり、主力の米国の競争環境は厳しい。中国でも現地化による低価格競争が繰り広げられている。新興国ではフォルクスワーゲン(VW)との真っ向勝負も本格化する見込みで、「今後を楽観できる状況にはない」というのがトヨタの本音だ。
米市場では、景気回復を背景に米国人が好む「ピックアップトラック」と呼ばれる荷台付きの大型トラックの販売が好調で、この車種を得意とするGM、フォード・モーターの米大手が勢いづいている。フォードは、昨年の米国販売が前年比10・8%増の248万台と、年間販売100万台以上のメーカーの中で唯一、2けたの伸びを記録した。
対するトヨタも同7・4%増と健闘したが、経営体質改革で中小型車の競争力も底上げし、利益率の高い大型トラックで攻勢に出る米国勢に比べると、利益の源泉が少ない。今後、トヨタが得意とする中小型の低燃費車の売れ行きが、堅調な大型車需要のあおりを受けて鈍るようだと、米国でのシェアも安泰とは言えなくなる。