福島第1原発の除染費用など国の支援を拡充した総合特別事業計画の認定を受けた東京電力。新会長に就任する数土文夫取締役(左)のもと、再建を目指す(コラージュ、写真は代表撮影)【拡大】
広瀬直己社長はこうした合理化策に「相当の痛みが伴う」としながらも、「3~5年先にどうしていくかを真剣に考えるのは、その時点に定年を迎える人では難しい」と語る。
7年度末に単体で約4万3000人いた社員は26年度末で3万4200人にまで減る見込みだ。前回の再建計画の目標を7年も前倒しで達成できる計算だが、福島事故後の依願退職者はすでに20~30歳代を中心に1500人に上る。
東電は26年4月、福島事故後に中断した新人採用を再開予定で、約370人の内定者がいる。広瀬社長は28年からの電力小売り全面自由化を視野に「国際的取引をしながら、エネルギーセキュリティーを守る仕事の面白さに、シェアや新製品で競い合う普通の企業の仕事の面白さが加わる」と若手社員に期待を寄せる。
柏崎刈場原発、再稼働がカギ
ただ、東電が生まれ変わるための猶予期間は決して長くない。脱国有化に向け、政府や原賠機構、社外取締役が東電の経営再建や汚染水対策などの進捗(しんちょく)をチェックし、原賠機構の議決権比率を2分の1未満に引き下げるかどうかを判断する。再建計画ではこの判断時期を、28年度末に設定した。