【開発物語】住友ゴム工業 「エナセーブ100」(2-1) (3/4ページ)

2014.2.10 05:00

東京モーターショーで国産第1号タイヤ(左)の生産から100年の節目に開発した、世界初の石油を使わないタイヤ「エナセーブ100」(右)を発表する住友ゴム工業の池田育嗣社長=2013年11月、東京都江東区(同社提供)

東京モーターショーで国産第1号タイヤ(左)の生産から100年の節目に開発した、世界初の石油を使わないタイヤ「エナセーブ100」(右)を発表する住友ゴム工業の池田育嗣社長=2013年11月、東京都江東区(同社提供)【拡大】

  • エナセーブ100(手前)は住友ゴム工業本社にも展示されている=神戸市中央区

 そこで、天然ゴムの性質を変える「改質」にも着手。詳細は企業秘密だが、ENR(エボリューショナル・ナチュラル・ラバー)と名付けた独自技術を開発し、燃費に関連するタイヤの転がり抵抗を天然ゴム並みに抑えつつ、雨の路面上では合成ゴム並みのブレーキ性能を持つという「低燃費性と安全性を両立させた素材が結果的にできあがった」(和田課長)。

 タイヤの設計面で06年から関わってきた向井友幸第5技術部課長代理(37)は「合成ゴムと天然ゴムでは車の乗り心地も違う。天然ゴムの良さを生かしながら、合成ゴムの性能に遜色ないものを出すのに苦労した」と明かす。

 ここまでは技術で何とか97%の「脱・石油」タイヤが実現できたが、残り3%の素材変更が次の難関となった。解決のため同社がとった手段は、自らの知見による新素材の開発だった。

 当時は「必要な素材について大量生産技術が確立されておらず、できるかどうか不安だった」(和田課長)とまさに壁にぶち当たったが、社内外の知見を得て、使えるバイオ・触媒技術をフルに活用。トウモロコシや松の木油、菜の花といったバイオマスを原材料に取り入れ、タイヤのひび割れなどの劣化を防止する老化防止剤、ゴムと硫黄の結合を促進させる加硫促進剤などの「脱・石油」化に成功した。

 11年から新素材の開発に関わった広真誉材料第1部課長代理(38)は「素材の配合を変え自分たちが狙ったタイヤの性能に向け改良を重ねた」と語る。

 こうして市販化を1カ月前に控えた13年10月、「脱・石油」100%タイヤの量産が工場で始まった。現場を訪れた広課長代理は「いろんなトラブルもあったが、最終製品ができあがったときは、うれしいというよりホッとした」。和田課長も「社内外でいろんな人が喜んでくれたのがうれしい」と達成感を口にする。

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