「テックプラングランプリ」最終選考の打ち合わせをする渡邊恵太さん(右)=東京都新宿区のリバネス本社【拡大】
最終選考を前に清水さんのアイデアの詳細に触れるのは差し控えるが、印象的なのは「プレゼンはこんなふうな流れにした方がいいんじゃないか」「ここをもっとわかりやすく」などと、リバネスのスタッフから次々に意見やアイデアが飛び出すことだ。
厳しい質問にも負けない準備を
単なるプレゼンの予行演習ではない。会話は自然に、「会社を作った場合の資本政策はどうするか」「起業後の協業先はどうやって見つけるか」などと膨らんでいく。
別の1次審査通過チームとしてこの日の打ち合わせに臨んだ明治大学総合数理学部専任講師の渡邊恵太さんも、スタッフから「最終選考までに法人登記の準備が整った状態にしておいて」と発破をかけられた。
「もともと、今年度内に会社を立ち上げようとは思っていたので…」と言いながら、そのスピード感に手応えを感じているようすだ。
スタッフの一人、齊藤想聖さんも積極的にアイデアを出していく。「ベンチャー予備軍がいきなり投資家の前で厳しい質問や分析ばかりされたら、そりゃ萎縮しますよ。だから、まずメンターが前向きな空気を作ることが必要なんです」
齊藤さんはまだ入社1年目。だが、「僕みたいな1年生でもメンターです。メンタリングをすることで、われわれ自身もスキルアップするからです」と言い切る。
起業とは、それを支えるエコシステム(生態系)があってこそ可能になるとよく言われる。起業の聖地、シリコンバレーを際立たせているのは、そのエコシステムの奥深さだ。技術者、科学者はもちろん、投資家、法律家、金融専門家、メディア…。そうしたエコシステムに不可欠な構成要素のひとつが、「メンター」だ。