ニーズを取り込もうと各信託銀行が力を入れるのが、グループ内の連携だ。三菱UFJ信託はグループの三菱東京UFJ銀行の窓口でも取り扱いを始めており、契約数の4分の1程度が三菱東京UFJ銀行経由という。みずほ信託は、みずほ銀行に相談員を派遣して教育資金贈与信託も含めた相続関連商品を強化している。信託免許を持つりそな銀行も、グループの埼玉りそな銀行や近畿大阪銀行の店頭で教育資金贈与信託を取り扱っている。
「教育資金贈与信託の販売拡大だけが、真の狙いではない」。大手信託銀行の幹部は、こう打ち明ける。
年金運用や資産管理を手掛ける信託銀行は、これまで高齢者など富裕層が顧客の中心だった。しかし、教育資金贈与信託は高齢者である祖父母だけでなく両親、孫と「3世代にわたる特殊な商品」(大手信託幹部)。関心が高まっている教育資金贈与信託を契機に、高齢者にとどまらず、これまで信託銀行が手薄となっていた年齢層に食い込むことを目指す。
実際、三井住友信託では教育資金贈与信託契約者のほぼ半数が、初めての取引という。同行は契約者を対象に遺言信託の手数料のほか、定期預金や住宅ローンの金利を優遇するなど、他の商品にも誘導するキャンペーンを繰り広げている。