ベルトコンベアーによる土砂の搬出作業=宮城県東松島市野蒜地区(藤澤志穂子撮影)【拡大】
約90ヘクタールの土地造成工事で切り崩した山から約320万立方メートルの土砂を外部に搬出する。10トンのダンプカーで45カ月と4年近くかかるところを、3分の1の15カ月に短縮できるという。
コンベヤーの建設費用は70億円と高額だ。だが高齢化が進む被災者に「いつ住宅に住めるのかを、早く示す必要があった」と東松島市の小林典明・復興政策部参事は語る。
国交省によると被災3県(岩手、宮城、福島)の災害公営住宅は、供給計画に対する2月末時点の着工は25%、完成はわずか3%にすぎない。野蒜地区の災害公営住宅は、平成29年度から入居が本格化する。
野蒜地区の事業は、コンストラクション・マネジメント(CM)という米国発祥の手法を取り入れた。公共事業では通常、自治体の管理のもとで設計と施工が別々の企業に発注されるが、CMは民間企業がマネジャー役を務めて工程全般を管理する。参画する事業者への工事費用の支払いは、案件ごとのコストを厳格にみる「オープンブック方式」を併用。税金の使い道の透明化も図る。
CMは震災後に国土交通省が奨励した。過去の公共事業で活用された例は少ないが、被災した自治体が規模の大きい復興事業を管理するのは難しく、URを経由して民間企業へ依頼、地元企業を下請けとする形が確立した。ベルトコンベヤーも活用するCMの導入で野蒜地区の土地造成期間は、当初計画の6年間から、最大で1年半は短縮できるという。