ブラジルのGDP成長率【拡大】
月収約8万~35万円の「クラスC」と呼ばれる中間層は、この10年で4000万人に増え、四輪車やパソコンなどの耐久消費財の需要が伸びている。
「成長至上主義からインフレ抑制に転換し、経済は当面低成長が続くが、個人消費の魅力は大きい」とジェトロの石田靖博サンパウロ事務所長は分析する。前政権とルセフ政権の社会政策が奏功し、景気が安定しているだけでなく、150万人の日系人社会による親日ムードも追い風だ。
地域別に販売戦略
街やオフィスのいたるところにコーヒースタンドがあり、デミタスカップで砂糖入りのコーヒーを飲み商談や雑談に興じるのがブラジル流。この中間層を取り込もうと狙うのが、三井物産子会社でコーヒー販売の三井アリメントスだ。昨年はプレミアムコーヒーが焙煎組合の品評会で1位の名誉にも輝いた。スーパーの店頭で試飲しながらの対面販売で、コーヒー販売は右肩上がりだ。
今後は人口増が予想される北部の拡販やサンパウロでは高級路線も追加し、地域別のきめ細かな販売戦略に乗り出す。同社の山村嘉宏社長は「17年に売上げを12年の2倍に引き上げたい」と意気込む。