昭和39年、世界で初めて発表された電子式卓上型計算機を手に「よくこんな物を作ったな」と振り返る、シャープ元副社長の浅田篤さん=大阪市阿倍野区のシャープ本社【拡大】
シャープは18日、世界初のトランジスタ電卓の発表50年を記念し、電卓の新製品のデザインを投票で選ぶキャンペーンを実施すると発表した。用意した12種類の中から得票数が最も多かった製品を今夏に商品化。最多得票のデザインに投票した人の中から、抽選で100人に新製品を贈る。
候補は、おしゃれな空間に合う「インテリア」、仕事で使うことを想定した「スマート」、かわいい色使いの「フェミニン」の3タイプ計12種類。投票は、シャープの会員サイト「SHARP i CLUB」に無料で登録して行う。期間は18日から4月10日まで。6月下旬に結果を公表する。
シャープがトランジスタ電卓を発表したのは昭和39年3月18日。価格は53万5千円で重さは25キロあった。開発を担当したシャープの元副社長の浅田篤氏(80)は「『こんなものが欲しい』という顕在的な需要があった時期だった」と振り返る。
その後、小型化が進展。価格競争も進み、一時は60社が参入した。シャープは48年、世界で初めて表示部に液晶を採用。51年には電源として太陽電池を付けた。浅田氏は「便利さを求める潜在的な需要が次々と出てきて、技術で応えてきた」と振り返る。
新興国の台頭で国際競争にさらされる日本のものづくり。浅田氏は「5年先に勝てる計画をたててほしい」と語った。