【回顧 関西経済2013(3)】
関西の電機各社にとって巨額赤字からの脱却を目指し、将来への布石を打った「雌伏の一年」となった。パナソニックは、プラズマテレビや個人向けスマートフォン(高機能携帯電話)など不採算事業からの撤退を表明するとともに、成長分野と位置づける自動車や住宅関連事業を強化した。経営再建中のシャープは、公募増資や国内外の企業からの出資を受け入れるなど資本増強を進めた。
パナソニックの業績不振の原因とされるプラズマテレビ事業への巨額投資。かつては大画面テレビはプラズマ、中小型テレビは液晶とすみ分けてきたが、技術革新で液晶テレビが大画面でもプラズマと画質で遜色なくなり、コスト競争力でプラズマが後塵を拝した。
ところが液晶が優勢となっていた平成19年にプラズマテレビ向けパネルの生産拠点の尼崎工場(兵庫県尼崎市)で新棟建設に着手したことが裏目に出た。約4千億円の過剰投資となり、赤字が膨らんだ。24年度からは液晶に経営資源を集中し、プラズマは電子黒板などに用途を絞って需要拡大を目指したが、販売は目標の半分以下にとどまり、10月に撤退を表明した。