価格下落が続いたデジタル家電に価格上昇の兆しが見え始めた。薄型テレビなどのメーカーが利益率を重視した販売戦略を打ち出したことに加え、消費者も「安さ」から「質重視」の姿勢に移りつつあるためで、日本経済のデフレ脱却の象徴となる可能性もある。
「年末商戦は(高精細映像規格の)4Kなどの販売を強化し、黒字化を目指す」(ソニーの加藤優最高財務責任者)
「4Kや(画面の)大型化で価格を上げる。黒字にしたい」(東芝の久保誠副社長)
10月下旬の2013年9月中間決算説明会。テレビ事業で苦戦するメーカー幹部は、相次いで高付加価値モデルによる巻き返しを目指す考えを示した。
利益重視へ転換
国内販売シェア首位のシャープは年末・年始商戦に向け、46型(想定価格約26万円)から80型(同約88万円)の新製品を投入。フルハイビジョン(HD)ながら4K並みという解像度を売りにしている。