有機食品の開発・卸業者のムソー(大阪市中央区)は、訪日旅行者向けにカステラ、せんべい、おかきを商品化して4月から空港やホテル、観光地で土産用として販売する。出口裕起社長は「オーガニック食品開発のノウハウはあり、ハラルへの対応は容易だった」と話す。
ムスリム人口は世界に16億人おり、なお増加傾向。食品だけで70兆円規模の市場がある。日本国内には約10万人が在住し、訪日旅行者は30万人とされる。東南アジアからの訪日旅行者は13年に100万人を突破。20年の訪日旅行者2000万人の目標達成に向け、今後、さらに増えるのは確実で、各社とも国内でのハラル需要増を見込む。
海外進出も視野
一方、将来の輸出を目指す動きもある。有機農産物の生産販売のフィードイノベーション(秋田県大館市)は、昨年10月にオーガニック米のハラル認証を取得した。佐藤仰喜社長は「オーガニックは基準があいまいだが、ハラルは厳密な認証基準があり、高品質を世界に向けてアピールしやすい」と訪日旅行者向けだけでなく、海外への挑戦も視野に入れる。