◆人が中心の多様な働き方を社員に提供
鈴木氏:「シスコシステムズでは、ワークスタイルの変革は『人』が中心であるととらえ、多様な働き方を社員に提供しています。その一環として、社員が在宅でも会議などに参加できるIP電話やテレビ会議システムの提供、Wifiルーターの貸与などを推進しています。こうした取り組みにより、東日本大震災のときにも平時から利用している分散型のワークプレイス環境を利用することで、翌日から大きな混乱もなく業務を継続できました。また、ワークスタイル変革には、部門や国を超えたコラボレーションの実現が求められ、そのためには『企業文化』『プロセス』『技術』という3つの要素が不可欠だと考えています」
◆グループ全体でダイバーシティを推進
島田氏:「NTTグループは、グループ全体でテレワークを活用しています。NTTドコモにおいては、2002年から経営管理システム『DREAMS』を導入し、多様なデバイスを利用して外出先からのWeb会議への参加や、電子決済に資料共有、数々のツールを電子化してきました。その背景には、グローバル化の進展の中でダイバーシティをいかに推進していくのかというニーズがあり、オフィスに縛られない新しい柔軟な働き方が求められている現状があります。また、テレワーク強化月間などを設けて、1週間のうち1日は必ず在宅で業務を行うなど、テレワークを積極的に推進しています。その成果もあり、これまでに数々のテレワーク推進賞をグループ各社が受賞してきました。これから日本企業がテレワークを導入していくためには、価値観の切り替えと勤怠管理や会議の方法など労働関係のルールの確立が必要になってきます。テレワークを推進するためには規制緩和も求められるでしょう」