◇講評◇
□審査委員長・三浦朱門氏
■メディアの特性生かした広告へ
メディアミックス部門の審査に当たり、3つの基準を審査委員の皆さんにお話しした。
第1に、広告というものは発見でなければならない。自分の心の中にそれとなく存在していたもの、あるいは育っていたものが、広告によってはっきり見えてくる。「自分はこういうものを望んでいたのだ」という発見をさせることが一つの大きな目的である。
第2に、ある商品について既に意識している人にとって広告というものは、それまで自分が得ていたマスコミその他による情報を一歩離れた場面から、一歩進んだ場面から、あるいは一歩横に移動した場面から眺めることができる。つまり、世の中の認識を深めることができるということ。
第3に、これは大変重要なことだが、広告というものは美しくなければならない。日常の殺伐とした生活を送っている、昨日も今日も明日も同じ生活という人たちが、広告に触れることによって感情が新しくなれば、また情緒が拭われるような気持ちになれば、それは広告の大きな功績だろう。
こうした3つの基準を鑑みた上で、今年も選考を心がけた。しかしながら、数多くある作品の中で何をもって良い広告とするかは、決して簡単な原理や価値基準で決めることはできない。